久しぶりの風
2010.08.31

Itsukoko

  

久しぶりの更新。

そして、約10年ぶりになる、兄貴(アユム)の世界旅行中に書いた本。

そのデザインがようやく終わり、先日見本が届いた。

10年前の世界旅行で書いた文章は「LOVE&FREE」として出版され、いまだに大人気のベストセラーになった。今思えば、この本が売れていなかったら、あのとき既に抱えていた多額の借金とともに、出版界の泥沼に沈んでいたかもな・・・・と思ったり思わなかったり。

いずれにせよ、「LOVE&FREE」が、俺にとってもアニキにとっても人生を変える1冊であったことは確かだ。

 

あの当時は俺にしても兄貴にしてもまだずいぶんと若くて、サンクチュアリ出版として出す本もイケイケな本が多かった。「20代。自分。自由。やるだけやっちまえ!俺たちは無力、だけど、無敵・・・」などなど。

俺たちだって人間だから、弱い部分や情けない部分だって本当はいっぱいあったけれど、20代の頃はそれを全て胸にしまって、イケイケな部分だけを一生懸命本にしてきたように思う。

そして、サンクチュアリ出版での活動を終え、兄貴は結婚して世界旅行へ旅立ち、俺はフリーのデザイナーとして、東京で活動を始めた。そのときに、東京と世界のどこかでたまに連絡を取り合いながらコツコツ作った本が「LOVE&FREE」の元になった「DEAR.WILDCHILD」という5冊のミニブック。このときはまだメールとかインターネットとか全然知らなくて、全て海外からの郵送やファックス。初期のデジカメはメモリーカードの容量が「8〜24MB」なんて時代の話。いまじゃ〜1G(1000MB)、2Gが当たり前だっちゅ〜んだから、たった10年間で、世の中、本当に変わったもんだとおもう。

ちなみに、このときの「DEAR.WILDCHILD」という5冊のミニブックは今回の「旅祭」にて販売予定で、在庫完売とともに、今回で販売を終了しようと思う。気になる人はぜひに。

 

ちょいと話は横道にそれてしまったけど、この世界旅行中に兄貴が書いた文章を初めて読んだときに、ようやく、俺が昔から知っている「本当の高橋歩」が表に出てきたなぁ、と思ったのを今でも覚えてる。

イケイケの兄貴もやっぱり兄貴だが、それは彼の全てではなく、ある1面だ。

厳しいとこも、優しいとこも、すごいところも、ずっこけたところも、弱いところも、やっぱりみんなと同じようにあって、世界旅行をしたことで、ようやく「素」に戻ったんだな、と思うとなんだか嬉しかった。そして何より、「素」で書いた文章がどの本よりも売れたという事実が、自分たちに「そのままいけばいいよ」という自信を与えてくれたんだと思う。

今こうして、自分たちが「大好きだ!」と思える本をみんなに届けられるのも、いまだに飽きることなく本を作り続けているのも、全てこの1冊の本のおかげかもしれないな、と思うのです。

 

今回の本の原稿を読んだときに、久しぶりにあの当時の風が吹いたような気がした。

それはどこか新鮮で、懐かしくて。いつもの本とは、また違った感動。

デザインも自然と共鳴して、自分でも驚くほど、本の中に気持ちいい風を閉じ込めることが出来た。

きっと、本を手に取ったときに、その風を感じてもらえる・・・・はず?・・・ればいいな。

旅祭では先行発売やらサイン会やらもあるかと思うので、来られる方は、ついでに手に取ってみてください。

さて、しばらくインドア生活が続いたから、久しぶりの野外イベントが楽しみ。

暑い中、汗を流しながら飲むビール。さいこ〜

 

気持ちよく、生きたいっすね。

 

それでは。


  

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