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ついに! /minoru
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[ 2009.7 月.24 ]
非常にお久しぶりです。 ずいぶんとサボっていました。 いや、お仕事はちゃんとしていましたよ。 本作りにどっぷり。 ようやく1冊、仕上げました!
なんと、今回はボクサーたちの言葉と写真を集めた本。 その名も「生きるために人は夢を見る。」 事故で右腕の機能を失ったカメラマンの林健次さんとの出会いから6年。 ずいぶんと時間がかかったけど、そのぶん、とてつもなくたくさんのエキスが詰まった1冊が出来ましたよ。
ボクもその昔、ボクシングをかじった経験がある。 だから、なんとなくわかる。 ボクシングって、一見、すごい特殊なスポーツで、いや、やっぱし、本当に格闘技って特殊なスポーツかもしれないけど、だからこそ、すっごくリアルに浮かび上がる事がたくさんある。 「生きる」っていう事に置き換えると、ボクサーのみんなが発する言葉のひとつひとつは、すごく普遍的なメッセージに溢れてる。だから、これは、いわゆる「ボクサーの本」ではなく。僕らがこの人生、生きていくために大事にしたい事が山ほど詰まった、強くて温かい「メッセージ本」なんです。
ボク自身、本をデザインしながら、涙が出る事があった。 これも初めての経験だった。
この世に生まれた時に、持っていたのは身体ひとつ。 誰も才能なんて持って生まれてこないよ。 「努力に勝る才能はない」と言い切る彼は、 誰を羨むことなく、いつもがむしゃらに練習に取り組んだ。
誰のためでもない、自分自身のために生きてきました。 自分が大嫌いで、自分が大好きで、 いつも強い男になりたいと思っています。 人間としてハートの強い男になりたいんです。 自分自身のためと言いながら、応援してくれる人たちに、 なんとしても応えたいと闘い続ける彼の姿は、いつも真剣そのものだった。
ひとりで頑張る方がかっこいいなんて、思わなくてもいいんだ。 そばで見ててくれる人がいるだけで、自分を変えることができた。 ひとりじゃ何もできないんだね。 誰かを感じながら頑張るってすごいことだよ。 ガキの頃から集合場所はいつもここだった。 何年経っても変らない仲間がいる。だから頑張れる。
必ず勝つなんて思ってはいません。 それは宝くじが3回当たるくらいの確率だから。 負けたってしょうがないんです。 そんなことは十分承知で、応援に来ているんです。 自分の好きなことをやってる息子を見て、よかったって思いたいんです。 病床で試合のポスターをじっと見つめ、この日を楽しみにしていた父。 試合当日。父の遺影を持って、母は応援に駆けつけた。
私の夢は結婚して、子どもを産んで、幸せな家庭を作ることでした。 それをかなえてくれた彼の夢が、今の私の夢です。 彼が好きなことに取り組んでいる姿を見ていたいんです。 妻は当たり前のことだけどと前置きをして微笑んだ。
命がけで闘おうと決めた時、覚悟ができたんです。 拳が痛かろうが、腕が折れようが、何も怖いものはなかった。
孤独に戦うボクサーの誰もが、はじめは「こんなに辛いこと、自分のためじゃなきゃやってらんない」っていうのに、試合を重ねるごとにまわりで支えてくれる家族や仲間、トレーナーに感謝するようになるんだって、林さんから聞いた。 そんなボクサーの「人間」としての一面を、12年間、そばに寄り添いながら写真におさめ続けた林さんだからこそ撮れた写真、聞けた言葉があるんだと思う。 だからボクも、本当に長い時間、林さんと話し合いながら、この本を創った。
それも本当に楽しかった。
そんで、ボク自身が、この本に込めたかったメッセージ。それは、 「人生の舞台(リング)に上がろう。」っていうこと。 これは自分へのメッセージ。 生きてれば、必ず、「やらなきゃならないとき」がある。 その時に、覚悟して、エイ!っと、そのリングに上がれる自分でいたい。 勝ちとか負けとか、関係なく、その舞台に上がるまで、黙って努力し続ける自分でいたい。 そして、結果がどうなろうとも、その結果を受け止めて、また前に進みたい。 そんな自分でいられれば、最高だ。
そして、最後に。 ボクが「絶対この本を創ろう!」と心に決めた一言。 この本の中でもひときわ大きな存在。 刺青ボクサー・大嶋宏成サンの一言。
ラストチャンスという言葉はやめてください。 チャンスにラストはない。 チャンスはやり続ける限りずっとあるんだから。
そうだ!
がんばろー!
それでは、また!
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posted by minoru
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